社会人から男性看護師になるメリット・デメリット

こんにちは、boo booです。

大学を卒業してから何もやりたいこともできることもなく、病院でヘルパー業務をしながら25歳で看護学校に入学して看護師になりました。

 今は精神科で働いています。

 実際に看護師として7年ほど働いてみて、社会人から目指してもおすすめできる職業だと思います。

自分の経験から、メリット、デメリットを記事にしたいと思います。

目次

看護師という仕事のメリット

誰でもなれる

まず初めに「サラリーマンやまったく関係ない分野の学校を卒業した人でも、看護学校に入学して国家試験を通れば看護師になれる」ということがメリットだと思います。

 どんな仕事でもまったくゼロから始めるとなると、就職そのものが難しいですよね。看護師なら国家試験を通ってしまえば就職に困るということはほぼありません。

 社会人から目指すにあたって学費が大きな負担になってくると思います。おおよそ3年制の専門学校では200~300万円の学費がかかります。

 教育訓練給付制度や病院付属の看護学校のお礼奉公制度を利用を検討してみると良いと思います。

 勉強にしても、偏差値50程度の大学にまったくついていけず留年した自分でもゼロからなんとかなりました。よっぽどサボったり勉強が嫌いで嫌いで仕方ない!という人でなければ大丈夫です。

 もちろん看護師という仕事を楽しめるかどうかは人によると思います。自分は看護師に「人を助ける」「人にやさしい」というイメージを持っていましたが正直まったく興味がありませんでした。そんな仕事は自分には向いていないし絶対やりたくもない!とも思っていました。

しかしこんな自分でも実際やってみると看護の仕事のやりがいも感じるようになり、なんだかんだで7年ほど働いています。

(夜勤できれば)給料いいよ

 夜勤ができれば給料はそこそこいい、ということです。自分はフルタイムで3交代制の夜勤を月に5~6回、時差勤務(早番や遅番など)が4~5回程度であることが多いですが、30歳半ばの勤続6年で年収530万円くらいです。2019年厚生労働省国民生活基礎調査の概況によると全世帯の年収の中央値は437万円でした。夜勤をしているとは言え、かなり高い水準です。

 ただし、地域差や病院によっても違いはある部分です。地方より都会の方が給料の良いところは多いですね。夜勤ができないとなると、基本給が下がる病院もあるので注意が必要です。

咲ける場所を探せる

 誰かが言いました、「置かれた場所で咲きなさい」という素晴らしい言葉。

 ブラック病院でけちょんけちょんにメンタル砕かれた自分としては「咲ける場所を探しなさい!」と声を大にして言いたいです。

世間で言われているように看護師は人手不足です。「すぐに辞めると経歴に傷がついて次の職場が見つけにくくなるんじゃないの?」と思ってしまいますが、看護師なら正直そこまで気にすることもないと思います。

実際自分は初めに勤めた病院を半年で辞めて転職サイトに申し込んで探しましたが、正直いくらでも選べると思いました。

結局看護学校に行く前にヘルパーで働いていた病院に就職しましたが、場所や条件さえ選り好みしなければ選択肢は広いです。

看護師に限らずブラックな職場に就職しないことが一番ですが、結局そこで働いてみないとわからないいことも多いです。自分も病院見学や面接した時点ではわかりませんでした。

 仕事は自分を犠牲にしてまで続けてはいけません。あなたの人生はあなたしか大切にできないのです。

ここはヤバイ、と思ったら速やかに離脱しましょう。大丈夫、あなたが咲ける場所はきっとあります。

働き方を選べる

 人手不足なので職場を選びやすいよ、という話はしましたが、それ以外にも働く形態を選びやすい、というものがあります。

 どういうことかというと、正規雇用以外の働き方もあるよ、ということです。

 「ええーそれってフリーターじゃん。非正規雇用の人生負け組じゃん」と思われる方もいるかもしれません。正直自分もそう思ってました。

 しかし一昔前に取り沙汰されたフリーターや非正規雇用の貧困化とは違って看護師は後からでも正社員になれますし、時給だけで見ると正規雇用者より良かったりもします。非正規だからと言って年をとったらどこも雇ってくれない、無職プー太郎になってのたれ死ぬ、ということはありません。

 自分も世代的に、公務員最強!フリーターや自営業は負け組!という呪縛の中で育ってきましたが、世の中の多様性を知るようになって考え方が変わりました。

 子供が大きくなるまで非正規で家庭を重視するもよし、看護師以外の副業に挑戦するもよし。

看護師はその人によって幅広い働き方を選択しやすい職業と言えます。

 また、看護師という仕事が合わないな、と思ったり他の仕事をやってみたい!となったときも看護師という国家資格は頼もしい武器となります。

 何度も言うように看護師は人手不足です。一度辞めてブランクがあってもまた戻ることができます。

自分が勤める病院でも、他の病院に転職したけど馴染めなくて出戻ってきたり、会社員になったけどうまくいかず戻ってきたりしている人もいます。

まとめて休みが取れる

ほとんどの病院では入院患者を交代で24時間看るため、勤務はシフト制になります。

毎月の勤務は師長(病棟で一番えらいひと)が希望を募ってシフトをつくることになります。

病院や病棟によって違いはありますが、自分の病院の場合、休み希望は3つまでだったり色々ルールがあると思います。

しかし今働いている病院では引越や旅行など1週間程度休みを取らせてほしい場合も師長に相談すればだいたい通ります。そのあたりは譲り合いだったり、師長のキャラクターにもよります。

また平日に休めることもメリットと言えるでしょう。どこに行っても空いているし市役所などでの手続きもしやすいです。

男性ならではのやりがいがある

 やはりまだまだ看護師は女性の職場、男性看護師は少ないです。看護師は体力仕事の面もあるので、男性だとありがたがられることがあります。

 男性同士の夜勤だったりすると「今日は豪華だね!」なんて言われたりします。また、女性からしても女性ばかりの職場より適度に男性がいた方が働きやすいという人は多いです。

特に精神科のような男性比率が高い職場だとギスギスしにくいことが多いです。

厚生労働省のデータでは、2008年から2018年の10年間で女性看護師は5.5%増加していますが、男性看護師は13%の増加となっています。

 男女比で表すと男性看護師は2018年で全体の7.8%に過ぎませんが、男性看護師は増加しておりそれだけニーズも高いと言えそうです。

 男で看護師になることに抵抗がある方もいるかもしれませんが、実際働いていて肩身の狭かったり恥ずかしい想いをしたことはありません。

 胸を張ってプロとして働くことができます。

看護師という仕事のデメリット

きつい・つらい

 まず一番のデメリットとして、看護師特有のきつさ、つらさというものがあります。

 科によって仕事内容は異なりますが、女性社会でかつ忙しい、人の命を預かるプレッシャーがあるため基本的にギスギスしがちだったり、新人にあたりがきつい人がどこの病棟にも一定数います。

 新人だったころ、リーダーをしている先輩にバイタルの報告に行った際、疾患について質問されたので答えたら「は?なにそれ。全然違うけど」と言われたことがあります。

 全然違うのはお前の知識だよ知識更新しろや!

と思いましたがもちろん口にしませんでしたよ。

 それ以外にも新人は記録するときは隅っこのノートPCで立ったまま(先輩は奥のデスクトップPCで座って記録)だったり、とにかく新人や実習生は人にあらずな職場もあります。

新人や学生には根拠を求める割に、昔からそうしてきたから、とか、新人はこうするもの、といった古い体質、価値観がまだまだ横行していると言えるでしょう。

 他にも挨拶を無視したり、常に見下すような話し方だったり、イライラをぶつけられたり・・・

 自分は半年で最初のブラック病院を退職しましたが、自分以外の同期も一年経たずに6人中2人辞めました。

 病院という閉鎖的な環境がそうさせるのか、まだまだ看護師の労働環境、教育環境には完全の余地があると思います。

 看護師の離職率について調べてみると、2019年の日本看護協会の調べによると全体で11.5%、うち新人看護師では8.6%となっています。

厚生労働省による2019年(令和元年)雇用動向調査結果の概要による全職種の平均離職率は11.4%となっており、看護師が特に高いわけではないというデータは意外ですね。

不規則な生活

 メリットの部分でも書きましたが、看護師の給料は夜勤をしてなんぼなところがあります。

夜勤と言っても、夜の間ぼ~っと巡回だけしていればいいわけではありません。定調薬の準備、点滴やおむつ交換、急な入院、急変とイベントには事欠きません。

 また、夜勤にも働き方に種類があります。ほとんどの病院で、2交代制、もしくは3交代制の2種類が導入されています。

 3交代制は準夜勤(17時くらいから1時くらいまで)、新夜勤(1時くらいから9時くらいまで)と日勤です。この3交代制では日勤深夜と言われる勤務体制があり日勤が終わると仮眠をしてその日の真夜中に出勤ということになります。日勤が時間通りに終わってくれれば良いのですが、忙しくて残業となると仮眠する時間がなかなか取れなかったりします。

 2交代制では、準夜勤と深夜勤を一度の勤務でこなします。つまり16時間勤務です。2日分の労働を一度にするので大変ですが、大抵休憩中に仮眠ができるところが多いです。また翌日は基本的に休日となる病院が多いです。

 自分は3交代制で働いていますが、夜勤が多い日は肌が荒れやすくなったり、なかなか疲れが取れなかったりしますね。

 ただ、夜勤明けの解放感は嫌いではなかったりします。

 また夜勤以外にも、病院によっては早番や遅番があったりもします。

 自分も前の病棟では月に10回近く夜勤をしていましたが、今の病棟は忙しいのでだいたい5回くらいまでにしてもらってます。

 夜勤の回数については、自分の体調に応じて師長にしっかり相談しましょう。

給料が上がりにくい?

 メリットの方では、給料がそこそこ良い、と書きましたが会社員よりも役職が少ないです。主任、師長、部長くらいです。(病院によっては副主任、副師長、副部長なんてのもあります)

 そのため多くのスタッフが10年、20年と経験年数を重ねても役職がつかないことが多いです。

しかし年功序列である程度給料も上がるので、今務めている病院では長く続ければ年収600万円超えるところまでは上がります。

 奥さんと子ども1人養うくらいなら問題なさそうですね。

周囲のほとんどが女性

 男性看護師が増えているといっても、やはりまだまだ女性の方が圧倒的に多いです。

 男性の場合、看護学校や新人時代に同姓の仲間がいないのは少し寂しいものがありますよね。

 その分、数少ない男性同士は仲良くなりやすいです。

 大学生生活で友達一人もできなかったコミュ障の自分でもなんとかやっていけましたので、慣れればなんとかなると思いますよ。

学生生活はつらいことも(特に実習)

 看護学校にもよりますが、ほとんどの学校で社会人は現役生より少数です。自分が通っていた3年生の看護学校は、約半数が社会人でした。かなり珍しいと思います。

 しかし社会人から看護師になる人は昔に比べて増えてきているので、入学する前に社会人を多くとっている学校を選ぶと入学してから居心地が良いですし、そもそも入学試験に通りやすいです。

 自分は大学を1年留年し、卒業してからも2年間病院で仕事をしていたので25歳で看護学校に入学したことになります。

 一度社会に出てから、高校卒業したての女学生の園に飛び込む。

 この状況を喜べるのはパリピの陽キャヤリチ〇だけです。

  自分のような陰キャコミュ障男だと入学する前からビビりまくりでした。

 が、実際入学してみると、看護学生同士は社会人であろうと現役生であろうと仲間意識が芽生えて仲良くなれました。実習やテストという共通の乗り越える壁があるからかもしれません。

 そう、看護学生にとって一番の敵は実習です。

 看護学生は卒業のため3~5人程度のグループに分かれ、病院や医療・介護施設等で実際に患者や利用者を受け持ちます。

 ここで実習指導者という看護学生における最大の敵がこれでもかとばかりにメンタルをへし折ろうとしてきます。

 病院では学生が立つ位置にすら口を出し時には無言の重圧で攻め立てます。

 学生は病院の狭い廊下に壁にめり込むばかりに端に寄り、カンファレンスでは指導者と教員に「根拠は?」と詰められます。

 正直なところ、実習では指導者によるパワハラが横行しているのが現状です。とても残念です。(もちろん優しかったり素晴らしい指導者もいます。そのような指導者はまるで神か天使のように崇められます)

 そして帰ってからも記録や疾患の勉強に夜も眠る暇もなくなります。ただ最近は個人情報の観点から家に記録は持ち帰らず実習先で記録をする学校もあると聞きます。

 実習で心を砕かれて看護師の道を諦めた学生は数多いことでしょう。

 実習を耐え抜いても、看護師国家試験合格率を100%にするために、見込みがないと教員に判断されれば、落第点を与えられ進学させてくれないということもあります。少し前に千葉の看護学校のニュースがありましたね。

1年生38人のうち15人自主退学、パワハラ原因か 千葉の看護学校https://news.yahoo.co.jp/articles/d92d70dbe6224da6157da9b13faecbda1583523d

 これはよっぽどひどい学校の事例だと思いますが、国家試験の合格率が毎年100%の学校は警戒してもよいかと思います。

 

まとめ

大学を出てから看護学校に入りなおした自分が看護師を7年ほど続けてみて感じたメリット、デメリットについて綴りました。

 結論、自分は看護師という道を選んでよかったと思います。 

 これからも看護師を続けるかはわかりませんが、看護師になってからでも色々な選択肢を選ぶことができる職業だと思います。

 自分と同じように、まったく違う道を生きてきた人が、看護師という選択肢を選ぶ際の参考になれば幸いです。

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