【新卒】一年目看護師がつらい原因と対処法5選【体験談】

こんにちは、boo booです。

新卒看護師の離職率はコロナ禍の影響もあり、ここ数年で上昇しています。2021年では10.3%と、2005年以降最も高い離職率になっています。

日本看護協会 「2022 年 病院看護・助産実態調査 報告書」から作成
https://www.nurse.or.jp/nursing/home/publication/pdf/research/99.pdf

看護師は夜勤もあり常に失敗できない重圧にさらされた過酷な労働環境です。

特に一年目はもっとも大変な時期だと思います。

覚えることたくさん…寝れない…つらい…

新卒看護師の離職理由について、主に「能力不足」「精神的落ち込み」が挙げられます。

新卒看護師の離職理由

●看護の実践能力の不足
●精神的落ち込み

参考:新卒看護師の離職理由と就業継続に必要とされる支援内容に関する文献検討

看護師の仕事は診療科や病院、病棟ごとに様々なルールや働き方がありそれも仕事の困難さの要因になっています。

あくまで私が体験した中での方法や考え方ですが、少しでも迷える新卒看護師の役に立つようにまとめます。

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目次

体験談 新卒時は半年で退職

●ブラック環境で半年で退職
●お礼奉公の奨学金を返済するために180万円の借金を抱える

私は新卒で就職した病院があまりにブラックな環境でどうしても耐えきれずに半年で退職しました。

何をしてもどれだけ勉強しても怒られてばかりで仕事に行くのがつらくなり、精神科を受診して休職してそのまま退職しました。

新卒で退職して借金180万円…完全にオワタ

違う病院に就職して、そこで改めて8年ほど務めることができました。

なので私の看護師1年目はかなりつらいものでした。

その分、自分が先輩の立場になったときにつらかった経験を活かすことができたと思います。

新卒看護師がつらい原因4選

1.看護学校と現場のギャップ
2.人間関係
3.タイムスケジュールの難しさ
4.精神的なストレス

新卒看護師がつらい原因を4つにまとめました。順番に詳しく解説します。

1.看護学校と現場のギャップ

●侵襲のあるケアは学校で練習できない
●学校で習ったやり方が現場ではできない
●職場ごとの独自ルールが多すぎる

コロナ禍で実習が削られたことも要因としてあげられますが、そもそも看護学校の教育されたことと現場ではギャップが大きすぎることが新卒看護師のつらい体験の原因の一つだと思います。

ベイスンやピッチャーを何個も使った足浴など、現場ではとてもできません。

採血・点滴・経管栄養・吸引など侵襲のあるケアの実践はできないし、教科書通りのきちんとしたやり方が省略されていたりします。

また、病院や病棟ごとに独自のルールがありそれを覚えるだけでも頭が一杯になります。

2.人間関係

●指導についてきちんと教育を受けている看護師は少ない
●理論より経験則が優先されがち
●指導する先輩によって注意されることがコロコロ変わる

プリセプターや先輩看護師とのコミュニケーションに困難さを感じる新人看護師は多いと思います。

管理職や実習指導者以外の看護師は、後輩を指導することに対してきちんと教育を受けているわけではありません。また、忙しくて新人に構う余裕がなかったりすることもあります。

特に年齢差があったりすると、なかなかコミュニケーションをうまくとれなかったりします。

看護師は古い体質が抜けずに、理論よりも「今まで自分はこうやってきた」という経験則に重きをおいている人も多くいるように思います。

なんでそんな古いやり方してるの?

医学、看護学は日進月歩です。むしろ新卒の方が正しい知識を持っているのにベテランから注意されてしまう、なんてこともあります。

指導される先輩によって言っていることが違うので混乱してしまうこともあります。

そうなるとどうしたらいいものか途方に暮れるしかありません。

3.タイムスケジュール

●仕事の優先順位がつけられない 
●業務が多すぎてキャパオーバーする

看護師の普段の業務は、複数の患者さんを対応しなければならず同時進行で勧めなければなりません。

患者優先ばらりもしていられない、業務を回さないといけないというプレッシャーも強いストレスになると思います。

私もよく「タイムスケジュールができていない」と注意されることが多かったことを覚えています。

4.精神的なストレス

●医療事故を起こさないかという不安
●自尊感情の低下
●自己学習や勉強会などの出席で睡眠時間や余暇の時間を取れない

これまで解説してきたように、新卒看護師は様々な困難さを経験するため精神的ストレスが半端ないです。

仕事以外の時間でも看護技術の予習・復習が必要でなかなか気が休まりません。

病院によっては休日にも研修や詰所会に出席しなければならないときもあったりします。

翌日の仕事のことを考えてなかなか眠れないことも多いと思います。

四六時中仕事のことが頭から離れない…

対処法

●質問するコツを押さえる
●予習・復習はすぐ取り出せるように
●ToDoリストをつくる
●ストレス対処法を身につける

新卒看護師がつらい一年目を乗り越えるための対処法について一つずつ解説します。

私が一年目や転職時に色々考えて工夫したことや、先輩看護師からアドバイスを貰ったことをまとめました。

質問するコツを押さえる

上手に質問するコツ

●相手の時間を使って質問していることを意識する
●前置きをしてから質問する「◯◯のことで質問があるのですが今よろしいですか?」
●自分が理解しているところや意見は伝える 
●完結に短く伝える
●教えられたことは復唱する 「◯◯ということですね。」

わからないことをきちんと質問することは大事です。わからないことをわからないままにすることほど怖いものはありません。

指導する側からしても「本当にわかってるのかな?一人で任せても大丈夫かな?」と不安になるものです。

看護師をしていると、先輩から「今忙しいから!」となかなか声をかけられなかった経験が一度はあると思います。

新人看護師は慌ててしまって「何がわからないのかわからない」状態になってしまうこともあります。

まずは落ち着いて頭を整理してから質問しましょう。

予習・復習はすぐ取り出せるように

●ポケットに入るメモ帳に書いて仕事中取り出せるようにしておく

インプットしたものは仕事の中でアウトプットできて初めて意味があります。

自己学習したものをメモ帳などにまとめていつでも取り出せるように白衣のポケットに入れておきます。

特に一年目は覚えなければいけないことが多くある上に、患者さんとの関わりはそのときになってみないとどうなるかわかりません。キャパオーバーして当たり前の労働環境です。

すべてを頭の中に入れて引き出せるようにはなかなかできません。

とっさにわからなくても、メモを整理しておけばそれを見ればわかります。

また、先輩にとっても「ちゃんと勉強している」というアピールにもなります。

ToDoリストをつくる

To Doリスト

●その日しなければならない業務を箇条書きにリスト化
●終わったものからチェックしていく

仕事中は次々にやらなければならないことを処理しなければなりません。また、予定にない仕事が入り込んできたりもします。

人間の脳は並列処理が苦手なので、一つのことに集中すると全体のタイムスケジュールがめちゃくちゃになってしまいます。

あらかじめ決まった業務についてリスト化しておくことで、抜けが減って頭の中で整理しやすくなります。

一年目のときだけでなく、新しい病棟に異動した際にもはやく仕事を覚えることができます。

前述した予習・復習メモと一緒にしておくと良いでしょう。

ストレス対処法を身につける

ストレス対処法

●自責思考に陥りすぎない。理不尽なことは理不尽と認識する
●余暇の時間を持ち私生活とメリハリを付ける
●友人や家族など気軽に仕事の話をしてみる

先輩やプリセプターに厳しく注意されたり怒られたりすると、どうしても自分が悪い、と思いがちです。

自分ができることを一生懸命やることは大事ですが、限度があります。理不尽な叱責や嫌味を言っている人がいたとすればそれに対しては腹を立ててもいいんです。

自分が成長することで対応できることも多いですが、パワハラが横行しているような職場ではどうにもならないこともあります。人によって合う合わないも当然ありますよね。ときには家族や友人に愚痴や不満も吐き出しましょう。

気軽に話す、ということが重要なポイントです。一人で考えていると「このままで独り立ちできるんだろうか」「自分は同期より遅れているんじゃないだろうか」などとどうしても深刻になってしまいます。

仕事の失敗や困りごとを気軽に話すことで、そこまで深刻に考えなくてもよいんじゃないかと前向きに捉えられると思います。

ブラックな職場ならさっさと辞めてOK

●自分の成長になる厳しさなのか、パワハラなのかを見極める
●もし自分の大事な友人や家族が同じ扱いを受けていたら?許容できる?

眠れない、食欲の減退など心身に不調が出たら注意を

看護師は、患者さんの命にかかわる仕事であるので、ある程度の厳しさや多忙さはやむを得ないところがあります。

自分の成長のために耐え忍ぶことも大切です。

ブラックな環境で無理に頑張ってしまうと、いつの間にか心身を壊してしまいます。

判断のポイントは自分の成長になる厳しさなのか、不当な扱いなのかを見極めることだと思います。

先輩やプリセプターが表面上「新人のため」と言っていても明らかに自尊心を剥ぎ取る場合もあります。そのようなタイプの人間は自尊心を奪って自分の都合の良いようにコントロールしてきたりします。

どうしても自分のことになると客観視することが難しいと思います。

なので、「大切な友人や家族が、自分が受けているのと同じような対応をされたらどう思うか」考えてみてください。

そこで許容できないと感じたら無理せず辞めて良いです。

新人看護師の人権が尊重されないような職場で頑張っても時間の無駄です。人生の貴重な時間と健康を損なうだけです。

退職前に転職活動を

●退職してから転職活動を始めると慌てることに

私は最初に務めたブラック病院を半年で退職しましたが、寮だったこともあり引っ越しや奨学金の手続きなど大忙しの中での転職活動となりました。

今思うと、辞める前から転職活動を始めていたほうが、こんなに慌てることはなかったと思います。

転職活動については別記事で詳しく解説しています。

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「最近の若者」像は本当か?

固定概念や偏見にとらわれる必要はない

「最近の若者」像

●ストレスに弱く、あきらめやすい
●プライドが高く傷つきやすい

昔に比べて個を大切にされる教育の変化によって自尊心が高くなったり、携帯電話、SNSの普及など他者からの評価を気にしやすい人が増えた、などもっともらしい理由が唱えられています。

しかしエビデンスがあるわけではなく、誇張されている部分が大きいのではないかと個人的には思っています。

世代だけでなく個人差があり、色んな人がいます。はっきり言って中高年から見た「今時の若者は」というただの偏見ではないかと。

ひとえに「最近の若者は」と一括りにすることはまったく成長のない考え方だと思います。

まとめ

●一年目が一番つらい
●一年目を乗り越えることで少しずつ仕事が楽になっていく
●ブラックな環境なら無理せず辞めてOK

一年目を乗り切ることで、仕事が少しずつ楽にできるようになってきます。

その中で、患者さんから嬉しい言葉をかけてもらったり、先輩から認めてもらえたりするとどんどん看護のスキルも上がってくると思います。成功体験の積み重ねが自尊感情を高めることにも繋がります。

もし、新卒で勤めた病院でうまくいかなかったとしても、自分を攻める必要はありません。咲ける場所を探せば良いだけだと思います。

新卒で苦労した人こそ、後輩ができたときに良い先輩になれるんじゃないかと思います。

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参考文献

佐久大学看護研究雑誌 8巻1号 「新卒看護師の離職理由と就業継続に必要とされる支援内容に関する文献検討」

日本看護協会 2022 年 病院看護・助産実態調査 報告書

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