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公務員は安定していて福利厚生が良く、私のような氷河期世代を経験した者にとっては憧れの身分だったりします。
憧れの公務員…
また、試験の難易度が高い、というイメージもあります。
民間の病院と比較したメリット・デメリットや目指し方について解説します。
看護師の場合は業務の特異性から、一般の公務員と民間企業の比較とは異なる部分も多いです。
最後に公務員として働く方法や求人の探し方についても紹介します。
●給料の地域差が少ない
●休日は多いが残業時間に大差はない
●一般的な公務員より目指す難易度は低め
●副業禁止などデメリットもある
公務員看護師の種類
国が管轄する官公庁で働く看護師。求人が非常に少ない。
・自衛隊病院
・宮内庁病院
・医療刑務所など
都道府県などの地方自治体が運営する病院で働く看護師。
・県立・市立病院など
公益法人や独立行政法人が運営する公的な病院で働く看護師。「みなし公務員」とも。公務員ではないが福利厚生などの待遇は公務員に準ずる。
・国立病院機構
・労災病院
・済生会病院
・赤十字病院
・国公立大学病院など
一般病院の看護師との違い
比較項目 | 民間病院 | 公務員・準公務員 |
---|---|---|
給料 | 初任給高め (場所による) | 年功序列で上昇 |
ボーナス | 場所による | 高め(景気に左右されない) |
退職金 | 場所による | 高め |
年金 | 厚生年金 | 厚生年金 |
残業 | 場所による | 平均よりは多い |
有給休暇数 | 初年度10日付与 | 初年度20日付与 |
有給休暇取得率 | 高め | 低め |
年間休日 | 少なめ | 多め |
日本看護協会 2022年 病院看護・助産実態調査報告書 https://www.nurse.or.jp/nursing/home/publication/pdf/research/99.pdf
月給
公務員・準公務員:年功序列で上昇
民間病院:初任給は少し高め
2023年の日本看護協会調査研究報告書によると、公務員・準公務員の初任給は全体の平均より少し低いところが多いです。しかし10年後の月給では全体の平均を民間病院より上回っています。
民間病院は規模の大きさや経営によってばらつきがあります。
公務員・準公務員は安定して年功序列で給料が上がっていきます。
ボーナス
公務員・準公務員の看護師のボーナスは約4ヶ月分となっています。
民間の病院も概ね4ヶ月分くらいのところが多いですが、規模や経営状態、地域差もあります。
公務員・準公務員の看護師は安定して平均的なボーナスが貰えると思って良いでしょう。
また、コロナ禍では経営が悪くなった医療機関のボーナスがカットされることもありました。
民間の病院と違い、景気や社会情勢に左右されずに安定してボーナスが貰えるのは明確なメリットです。
退職金
公務員・準公務員:1,400〜2,000万円
民間病院:1,000〜2,000万円
参考:マイナビ看護師 https://kango.mynavi.jp/contents/helpful/headline_news/210727/
退職金は民間病院の場合はばらつきが大きく、ほとんどもらえないようなところもあります。
退職金が2,000万円ももらえる民間病院は一部の規模が大きく経営状態も良いところだけでしょう。
一部の例外を除いて公務員・準公務員看護師の方が退職金を多く貰えるでしょう。
年金
●公務員も民間の病院も年金は同じ
年金については、公務員だと多くもらえるイメージがあるかもしれません。
以前、公務員の年金は「共済年金」と呼ばれるものでした。
もらえる額は多いのに毎月支払う額は少ないという優遇された制度でした。これが不公平ということで平成27年に廃止され、公務員も民間と同じ「厚生年金」に加入することになりました。
なので公務員だから年金がたくさんもらえる!という時代は終わりました。
「共済年金」って今はもうないの?
残業時間
残業時間は民間の病院はかなりばらつきがあります。
公務員・準公務員の看護師は飛び抜けて多く残業しているわけではありませんが、平均より残業時間が少ない病院もありませんでした。
公務員は残業しない、というイメージがあるかもしれませんが、少なくとも看護師においては違うようですね。
有給休暇消化率
有給休暇取得率は、公務員・準公務員の看護師ではすべての施設で平均以下でした。
しかし、そもそも公務員は有給休暇が初年度から20日つきます。
有給休暇の数が多いためその分流れてしまうことが多いということだと思います。
年間休日
公務員・準公務員:約120日
民間病院:100日前後であるところが多い
民間病院の看護師は年間100日程度のところが多いですが、公務員看護師であれば基本的に完全週休2日制(土日祝日+夏季休暇など)で年間120日ほどあります。
公務員は給料の地域差が少ない
●公務員の給料は地域差が少ない→地方や田舎で働く人、移住したい人に向いている
看護師は資格さえあれば日本全国どこでも働くことができます。ただし、仕事はあっても給料の地域差が大きいです。
看護roo!の記事によると、看護師の平均年収は約508万円です。
都道府県別に見ると1位の東京が564.1万円、最下位の鹿児島県が396,4万円と約168万円の差があります。
また、看護師だけでなく一般的な公務員の話にはなりますが、国家公務員は都市圏の民間企業の給料を元に決定されています。さらに地方公務員はその国家公務員の給料に依存して決定される傾向があります。
そのため、地方では民間と公務員の給料の格差が大きくなります。
(参考文献:地域における給与の官民格差に関する統計分析 ーなぜ、地方では公務員人気が高いのかー)
田舎で働く人、移住したい人であれば、地域の市立病院や公立病院で働くことで安定して高い給料をもらうことができます。
公務員看護師のデメリット
●副業禁止
●失業給付なし
公務員看護師にもいいことばかりでなく、デメリットもあります。
副業禁止
公務員は副業ができません。
これは「地方公務員法」「国家公務員法」という法律で定められています。
準公務員については、厳密には公務員ではないので法律違反になるわけではありませんが、もし副業をしたい場合は就業規則を確認しましょう。
副業なんてしないよー、っていう人には関係ないかも…
失業給付なし
公務員は、民間と違って会社が倒産するというリスクがありません。
そのため雇用保険制度がありません。
公務員看護師が仕事を退職した場合は、失業給付をもらうことができない点は注意しましょう。
公務員看護師になる方法
公務員になれない人
●地方公務員法第16条の欠格条項
●国家公務員法第38条の規定に該当する者
要約すると・・・
・過去に犯罪を犯して禁固刑を受けたり懲戒免職になった
・テロリスト
・成年後見人や補佐人がついている人
公務を担うため民間の病院より厳しいものになっています。
年齢制限は基本的にない
通常の公務員:年齢制限あり
公務員看護師:年齢制限なし(病院による)
地方公務員の場合、地域や区分によって25〜40歳くらいまでの年齢制限があります。
しかし看護師の場合は決まった年齢制限がありません。その病院によりけりで、年齢制限をまったく設けていない病院もあれば35歳くらいまでのところもあります。
採用試験
難しい公務員試験は受けなくて良い!
小論文+面接でOK
通常、国家公務員や地方公務員になるには教養試験や専門試験など、難しい筆記試験があります。
看護師の場合は、基本的に面接・小論文だけなので、難易度は格段に低いです。
昨今は看護師不足なので既卒でも求人さえあれば比較的内定をもらいやすいです。
まとめ
転職は考えず、安定を望む人
地方や田舎に移住したい人
看護師はそもそも働く場所を選ばない最強の資格の一つです。
そのため一般人が公務員になることに比べて「安定」というメリットは少ないと言えます。
看護師の仕事をしながら副業できる体力と気力がある人にとっては、「安定した看護師+副業」の二馬力を目指す方が攻守のバランスは取れると思います。
色々な価値観があると思うので、その人に合った働きやすい職場が増えると良いなあと思います。
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