【看護師】ブラック病院の特徴8選と対応方法【体験談】

こんにちは、boo booです。

私は新卒で勤めた病院が典型的なブラック病院でした。心を病んで半年で退職しました。

もう無理ぽ

その後は精神科に転職したので、そのときの自分の精神状態がいかにボロボロだったか、今ならよくわかります。

ブラックな環境で精神が疲弊すると、正常な判断力を奪われます。

客観的に判断できるように、ブラック病院を経験した看護師がその特徴8選と対応策について解説します。

もしこの記事を読んで、自分が働いている病院がブラックだと思うなら精神を壊す前に速やかに辞めましょう。時間の無駄です。

目次

ブラック病院の特徴8選

1.常態化したパワハラ
2.妊娠に対するマタハラ

3.前残業が当たり前
4.後残業も当たり前
5.離職が多い
6.休み希望を出せない
7.日本看護協会への強制加入
8.勉強会・詰所会は休日でも強制参加

これらの特徴がある病院は間違いなくブラック病院です。

特にパワハラ・マタハラが常態化していると本当に救いようがないです。

順番に解説します。

1.常態化したパワハラ

看護師が受ける暴力・ハラスメントのうち一番多いのは「同じ勤務先の職員」からの「精神的な攻撃」

看護師はその業務の特殊性から、パワハラを受けやすく受けても我慢せざるを得ないという環境にいます。

●古い体質で理論よりも過去の経験が重視される→ベテランと新人の溝が深まりやすい

「患者のため」という大義名分から行き過ぎた指導になる

●人手不足から長時間労働が常態化し、ストレスが蓄積しやすい

●サービス残業が当たり前で過酷な労働要求を拒めない

●エラーが許されない緊張感の高さから、イライラを招きやすい

●管理職も過重労働でストレスを抱えているため部下への暴言等が発生しやすい

看護師に対する暴力・ハラスメントは、患者や患者家族から受けることもあり問題視されています。しかし日本看護協会の2019年の調査によると

看護職員が過去1年間に職場で受けた暴力・ハラスメントは、「精神的な攻撃」が24.9%と最も多く「同じ勤務先の職員」からが53.7%であった。

日本看護協会 2019年 病院および有床診療所における看護実態調査報告書

つまり看護師が受ける暴力・ハラスメントのうち一番多いのは「同じ勤務先の職員」からの「精神的な攻撃」ということです。

苦楽を共にする仲間からのパワハラが一番多いなんて…

2.妊娠に対するマタハラ

マタハラ(マタニティハラスメント)とは

マタハラ(マタニティハラスメント)とは、働く女性が妊娠・出産を理由に解雇・雇止めをされることや、妊娠・出産にあたって職場で受ける精神的・肉体的なハラスメントのこと。

日本労働組合連合会

以下に、看護師が妊娠した際に実際に受けたマタハラの具体的な内容を抜粋します。


看護師のマタハラ 具体的な内容抜粋

●流産を報告したら「それで、何?」とあしらわれた。

●つわりで仕事中に2時間点滴をすることになり、点滴後に部署に戻ると「休んでいた2時間はどうするつもりな?2時間働いて」と師長に言われた。

●職場の人から、「妊娠は病気じゃないから“具合悪い”というアピールはやめたら?」と言われた。

日本医労連・全大教・自治労連「2022 年看護職員の労働実態調査」

吐き気を催す邪悪とはこのことでしょうか。

さらに同じ調査では

●マタハラを受けたことがある、と答えた看護師は9.7%と約1割

●妊娠した看護師の4割が夜勤免除をされていない

●妊娠時の症状について1988年より悪化している

と、マタハラ(マタニティハラスメント)を受けた自覚がある看護師は約1割ですが、夜勤については約4割が免除をされていない、という過酷な労働環境です。

妊娠時の状況2022年2017年2013年1988年
順調27.9%26.4%27.1%30.6%
切迫早産25.2%30.5%29.8%24.3%
流産10.3%10.0%9.2%3.7%
医労連 2017年看護職員の労働実態調査結果報告http://irouren.or.jp/research/75dcde07a35d16c7889d5cc57f2026e143ced7e7.pdf
日本医労連・全大教・自治労連「2022 年看護職員の労働実態調査」http://irouren.or.jp/publication/1aa89b7a9aaadc951b30c3ab81f6811631ae4e71.pdf

妊娠時の状況について、最悪だった2017年よりは「順調」の数値がいくらか増え、「切迫早産」の数値も減っていますが、1988年のデータよりは悪化していることには変わりありません。

30年以上経ってもまったく改善されていないということになります。

命を守るべき看護師がこんな仕打ちを受けていることに本当に悲しくなります。

これらのマタハラが横行しているような病院は間違いなくブラックです。

3.前残業が当たり前

始業1時間前に出勤しないといけないことも

看護師は、朝一番に情報共有のための申し送りがあります。その情報収集のために始業時間よりはやく出勤することがほとんどの病院で常態化しています。

新人なら始業1時間前に情報収集のために出勤を強いられることもあります。

もちろん残業代など出ません。「新人は情報取るのに時間かかるから当たり前でしょ」と言わんばかりです。

ただでさえ定時に帰れないのに1時間早く出勤しないといけないなんてどうかしています。

4.後残業も当たり前

2〜3時間のサービス残業は当たり前

当然、普通に残業もあります。新人は先輩より先に帰るなんてなかなかできません。記録を書くパソコンの数も一人一台なんてないので、先輩に譲らないといけなかったりします。

パソコン難民…

仕事が終わっても「何か手伝うことありますか?」と聞いて回らないと後でボロクソにこき下ろされます。

午前9時上がりの夜勤なのに帰る時間には病棟に昼食が運ばれてくる、なんてことはよくあります。

5.離職者が多い

ブラックな病棟では新人看護師と中堅看護師の間がぽっかり抜け落ちています。そうブラックホールのように。

これは最初の1年目で脱落してしまう人が多いためです。

もし中堅まで生き延びたとしても、いつの間にかパワハラをする側に生まれ変わったりします。

自分が苦労したんだから新人も同じ苦労をして当然」という心理が働くのでしょうか。

まさに憎しみの連鎖

6.休み希望を出せない

同調圧力のイラスト

看護師はシフト制で、毎月勤務希望を出します。病棟によって休み希望は◯◯個まで、なんてルールがあったります。しかしブラックな病院では、新人は自分の予定で休み希望を出すなんてできる空気ではありません。

特にお正月や大型連休に、実家に帰るために休みを取ろうなんてもってのほかです。

新人ごときがまさか休み希望を入れるつもりなんてないだろうな?と言わんばかりの圧力があります。

7.日本看護協会への強制加入

日本看護協会は任意加入

日本看護協会は任意加入です。しかし往々にして強制的に加入させられる病院もあります。

私が新卒で就職したブラック病院は新人説明会をした流れで全員に案内が配られ、その場で加入させられました。

「なんかおかしいな」と思いながら新人が異を唱えることなんてできません。

日本看護協会に加入すると、その都道府県の看護協会にも加入することになります。

地域によって年会費は変わりますが、初年度は20,000円翌年からは年間1万円というところが多いです。

地域によっては、看護協会のビルや会館を維持したり改修するために40,000〜60,000円徴収されることもあります。

この金額が高いかどうかの判断は難しいところですが、個人的にはアマゾンプライムが年間5,900円ということを考えると、なかなかふざけた価格設定だと思います。

就職してすぐに、有無を言わさず加入させようとしてくる病院は警戒した方が良いと思います。

8.勉強会・詰所会は休日でも強制参加

ほとんどの病院では、定期的に勉強会や詰所会があると思います。

ブラックな病院では、日勤終了後にある場合はもちろん残業代なんて出ません。

休日なら強制参加の上、もちろんその分の給料なんて出ません。

せっかくの休みなのに…

どうすればいいのか

●自分を責めない
●家族・友人に相談を
●辞める

ブラックな病院かどうかは入ってみないとわかりません。

もし自分がブラックな病院に就職してしまったらどうすればよいのか、私の体験から解説します。

自分を責めない

問題はその組織にある

看護師におけるパワハラやモラハラは、「患者のため」「病棟、病院のため」「指導のため」といった大義名分を振りかざしてきます。

真面目な人ほど、「しょうがない」「自分が悪い」なんて思ってしまいます。

このような状況になるまで追い込まれている時点で、本人のせいではなく組織の問題です。

自分を責めないようにしてください。

家族・友人に相談を

客観視するために外から判断してもらう
相談できる相手がいなければ心療内科も

もし信頼できる家族、友人がいるなら今の労働環境について相談しましょう。

そうやって客観的に見ることで、ブラックな環境なのか自覚できるかもしれません。

身近に相談できる相手がいないのであれば、心療内科を受診することをおすすめします。どうしても心療内科は受診するハードルが高く感じるかもしれませんが、もっと気軽に利用しても良いんです。

私も不眠で心療内科に受診しましたが、誰かに話を聞いてもらうことで頭が整理できますし、気持ちも少し楽になりました。

仕事がつらいなら、心療内科を受診して休職する方法もあります。

私も心療内科を受診して診断書をもらって休職しましたが、今思うとそんなことせずさっさと辞めてしまえばよかったですね。

辞める

ブラックな環境はもうどうしようもない

パワハラが常態化しているようなブラック病院は、はっきり言ってどうしようもありません。少なくとも個人がどう頑張ったって無駄な努力です。さっさと辞めましょう。

ブラックな病院に限って人手不足で辞められない、辞めさせてくれない、ということはあるあるです。

でも人手不足は誰のせいですか?あなたのせいではないですよ。その病院、病棟に原因と責任があります。

人手不足のこんな時期に辞めるなんて!

人手不足なのは管理側の問題では…

最後の手段

辞めたいのにどうしても言い出せなかったり、辞めさせてもらえないようなときは、最後の手段として「退職代行」を利用できます。

注意点もありますので、退職代行の利用方法についての過去記事を参照してください。

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新卒で辞めても大丈夫

最初に言ったように、私はブラックな病院を新卒で半年で退職しました。

それでも転職エージェントで断られた病院は1件だけで、あとは複数紹介してもらえました。

看護師は新卒で一年以内に辞めてどこも雇ってもらえない、なんてことはまずありえません。

意外となんとかなります

●転職活動は退職前から始めましょう

もし失業給付をもらってゆっくりするなら良いのですが、すぐに就職を考えているなら退職前に転職活動はしておきましょう。

私は寮生活だったので、退職後に引っ越しや奨学金の手続きなどをしながら転職活動をするのは大変でした。

転職活動については別記事で詳しく解説しています。

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まとめ

ブラックな環境で無駄にしていい時間は人生にはない

ブラックな環境というのは人の精神を破壊します。私はブラック病院経験者ですが、今振り返ると本当に異常だったと思います。

毎日出勤時に「交通事故にあえば仕事に行かなくていいのに」となんて思っていました。あのまま働き続けていたら自分から車に飛び込むなんてこともあったかもしれません。

ブラックな環境というものは個人の努力でどうにかなるものではありません。そこで頑張るよりさっさと環境を変えることをおすすめします。

ブラックな環境で無駄にしていい時間なんて人生にはありません。

ブラック病院で働いている看護師が一人でも離脱できることを願っています。

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